「頑張っているのに、垂直跳びが伸びない。」
その原因は、才能ではなく――
“鍛え方の順番”かもしれません。
ジャンプは単なる脚力ではありません。
重要なのは、
- 力をどれだけ出せるか(最大筋力)
- どれだけ素早く出せるか(RFD:力の立ち上がり速度)
- 伸び縮みをうまく使えるか(SSC:伸張-短縮サイクル)
つまり、
「速く・強く・効率よく」力を出せるかが勝負です。
① スクワットジャンプ(SJ)
〜反動なし=純粋な爆発力〜
しゃがんだ静止姿勢から、反動なしで跳ぶジャンプ。
目的
✔ 力の立ち上がり速度(RFD)の向上
✔ 静止状態からの爆発力強化
研究でも、SJはRFD向上に有効であることが示されています。
実践ポイント
- 一度しゃがんで「完全停止」してから跳ぶ
- 反動を使わない
- 可能であれば軽い負荷(1RMの10〜40%)を使用
スタートダッシュや切り返し強化に効果的です。
② カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)
〜実戦で最も使われるジャンプ〜
立位から一度沈み込んで跳ぶ、最も一般的なジャンプ。
なぜ高く跳べるのか?
- 力を出す時間が長くなる
- 伸張-短縮サイクル(SSC)が働く
- 神経系が事前に活性化される
研究では、跳躍高の大部分が「力の立ち上がり速度」に左右されると示唆されています。
実践ポイント
- 素早く沈む
- 切り返しを速く
- 腕振りを最大限活用
さらに伸ばすなら、
- 高負荷スクワット(>85%1RM)
- クリーンやスナッチなどの爆発系リフト
最大筋力と爆発力、両方が必要です。
③ ワンステップ・アプローチジャンプ(AJ)
〜競技特異性を高める〜
1歩踏み込んでからジャンプ。
バレーボールやバスケットボールで実際に使われる動きです。
ポイント
- 競技動作に近い
- 力発揮時間が長くなる可能性
- 筋腱のスティフネス向上が期待される
ただし重要なのは、
SJとCMJが安定してから導入すること。
基礎ができていない状態で動作を複雑にしても、
パフォーマンスは伸びません。
※AJはSTEP3〜4の後、競技特異性を高める段階で導入するのが理想です。
④ デプスジャンプ(DJ)
〜神経系を鍛える最強刺激〜
ボックスから降りて即座に跳ぶプライオメトリクス。
鍵になるのは「接地時間」です。
研究では、
- 落下高よりも
- 接地時間を短くすること
が重要と示唆されています。
✔ 250ms以下の切り返し
✔ できるだけ速くリバウンド
これによりSSC効率が高まり、神経筋適応が促進されます。
まとめ|垂直跳びは「順番」で決まる
では、何から始めるべきか。
どれか1つが最強なのではない。
組み合わせこそが最適解である。
ジャンプ力は単発のトレーニングで劇的に伸びるものではありません。
筋力・神経系・技術・競技特異性――
これらを段階的に積み上げることで、はじめて高みに到達します。
実践ステップ
STEP1:最大筋力を高める
- スクワットで相対筋力を向上
- ヒップ主導で地面に強い力を加えられる身体をつくる
まずは“土台”。ここが弱ければ積み上がりません。
STEP2:スクワットジャンプ(SJ)で爆発力を鍛える
- 反動なしで跳ぶ
- 軽負荷ジャンプでRFDを高める
静止状態から一気に力を出す能力を磨きます。
STEP3:カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)で実戦力へ
- 素早い沈み込みと切り返し
- 腕振りを最大限活用
SSCを使いこなし、実戦に近い跳躍能力へ。
STEP4:デプスジャンプ(DJ)で神経系を仕上げる
- 接地時間を短く
- 低い高さから開始
反応力とSSC効率を高め、ジャンプ力を一段引き上げます。
本気で変わるなら、順番を守れ
ジャンプ力は、
✔ 筋力
✔ 神経系
✔ 技術
✔ 競技特異性
この積み上げで伸びます。
いきなり高強度プライオメトリクスに飛びつくのではなく、
基礎 → 爆発力 → 反応力 → 競技特異性
この流れを守ること。
遠回りに見えて、それが最短ルートです。
最後に
ジャンプ力は才能ではない。
伸びないのは、才能がないからではない。
鍛え方が違うだけだ。
科学を味方につけて、本気で変わりましょう。

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