― 速く、そして強く動くために必要なトレーニング戦略 ―
スピードは、あらゆるスポーツの根幹です。
ただ走るだけではなく、「速く動く」「止まる」「方向を変える」といった一連の動作を、正確かつパワフルに行えるかどうかが、競技力の差を生み出します。
今回はスピードアップのために押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
まずは「走れる姿勢」をつくる
スピードの出せる動きは、正しい姿勢から始まります。
- 立ち姿勢を整える
まずは“まっすぐ立つ”という基本を意識しましょう。踵を上げてつま先立ちになり、ふらつかない位置で静止できたら、そのまま踵を下ろします。この姿勢が、走りの基礎となる「重心の取れた立ち姿勢」です。 - 足の回転スピードを上げる
走るテンポを高めるには、股関節の屈伸動作をスムーズに。「上げて→下ろす」動作を素早く繰り返すことで、切り返しのスピードが向上します。 - 地面を“蹴る”より“押す”
推進力は地面からの反力(押し返す力)によって生まれます。 - 「蹴る」よりも「押す」イメージで地面を強く押すことで、スピードに直結する力強い推進力が得られます。
- 腕振りでリズムと推進力を
腕振りは“後ろから前へ”テンポよく。 - 後ろに振る動作は足の蹴りと連動し、前に振る動作は推進力を補助します。
- 正しい腕振りが、良い姿勢とリズムを生み出します。
コントロールしながらすばやく動く
スピードを出すだけでなく、「止まる」「方向を変える」動作を安定して行えることも重要です。
そのためには、片足でのバランスとコントロール能力を鍛えましょう。
- 両足でのパワーポジションを確認
重心を低く保ち、つま先・膝・股関節を一直線にそろえる。 この姿勢からどの方向にもすばやく反応できるようになります。 - シングルレッグスクワットで片脚の安定を
片足でしゃがむ動作は、下肢の筋力と体幹の安定性を同時に強化。 フォームを崩さず行えるようになれば、片脚での接地時にもバランスを保てるようになります。 - シングルレッグホールドの応用
「サイドキックダブル」「シングルレッグスタート」「パワーカット」といったドリルで、動きの切り返し時にも重心を保ち、安定したスピードコントロールを身につけましょう。
クイックリフトで「瞬発パワー」を身につける
速さを生み出すためには、負荷のかかった状態でも爆発的に力を発揮する“瞬発的パワー”が必要です。
この要素を鍛えるには、クイックリフト系トレーニングが効果的です。
習得すべき代表種目
- ファーストプル動作
地面からバーを引き上げる初動の力発揮を身につける。 - パワークリーン
全身を連動させて素早く引き上げることで、下半身から上半身へのパワー伝達を強化。 - プッシュプレス
脚と上半身の力を連動させて爆発的に押し出す。 - スナッチ(低負荷)
軽めの負荷でスピード重視の全身動作を学ぶ。 - スクワットジャンプ
地面反力を最大限に引き出し、跳躍力と瞬発力を鍛える。
これらの種目は、単なる筋力トレーニングではなく、「力を速く使う」ための神経系トレーニングでもあります。
フォームを崩さず、軽めの重量から始めることがポイントです。
まとめ:スピードを支えるのは「姿勢 × コントロール × パワー」
速く動くためには、単純な筋力ではなく、体を正しく使う技術とコントロール力、そして瞬発的パワーが必要です。
今回紹介した3つのステップ――
- 正しい姿勢で走る基礎をつくる
- 片足での動きをコントロールする
- クイックリフトで瞬発力を高める
この3つを繰り返し磨くことで、「速さ」と「安定」を両立した動きが身につきます。
本気でスピードを変えたいなら、今日から一歩踏み出してみましょう。
DO MY BEST ― 最高の自分を目指して。


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